◆時代劇


◆くだらな学習帳
このページは、歴史に関して疑問に思ったことを私なりに調べ、その結果を報告するところです。 「こんなことも知らないのか」「全然間違っとる」とおっしゃることも多いでしょうか、ご容赦を。 (間違いの指摘は大歓迎。
shimojo@tora.email.ne.jpまで。)

大名が動員できる人数は?
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/douin.htm
どれだけ偉くなれば正一位をもらえる?
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/ikai.htm
ヒットラースターリン、そしてビル・ゲイツ(11/9更新)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/gates.htm
旧日本陸海軍の身分と指揮の関係は?(12/13更新)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/guntai.htm
斉藤一新選組のスパイ(1/11更新)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/hajime.htm
稲垣隆秀のこと(3/29更新)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/sika.htm
系図を読んで遊ぼう(5/2更新)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/keidu.htm
備前長船に日本刀の源流を尋ねて(6/22更新)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/osafune.htm
征韓論はなかった(8/29更新)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/mei6.htm
海軍はほんまに偉大か(11/15更新)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/navy.htm
女嫌いの世界史(1999/1/20更新)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/femsekai.htm
坂本龍馬はなかった(1999/11/20)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/ryoma.htm
政治家になれる官僚、なれない官僚(1999/12/17)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/kanryo.htm
「西遊草」を読む(2000/3/27)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/kiyokawa.htm
坂本竜馬と明治大帝(2001/1/22)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/ryoma2.htm
養子天国(2001/10/23)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/yousi.htm
大避神社に岡山県ユダヤ人説のルーツを訊ねて(2002/1/7)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/oosake.htm
破産王・高橋是清(2002/3/1)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/korekiyo.htm
歴代総理点取り占い(明治篇)(2002/9/20)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/souri1.htm
戦国大名長生き競争(2003/12/4)
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/jumyo.htm
 
◆屋形船 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%8B%E5%BD%A2%E8%88%B9
屋形船(やかたぶね)とは、和船の一種で、主に船上で宴会や食事をして楽しむ、屋根と座敷が備えられた船のこと。楼船(ろうせん)ともいう。
歴史
平安時代からその原形はあり、貴族の遊びなどに使用されていた。河川整備が進んだ江戸時代に栄え、大名や豪商などに花見や月見、花火などの遊びに愛用された。特に隅田川の屋形船は金銀漆の装飾で飾り豪華であった。延宝年間(1680年頃)までが全盛期で、天和2年(1682年)の大船建造の禁により衰退し始めたという。

明治維新の後も引き続き親しまれたが、第二次世界大戦での敗戦後に「文化の移り変わり」「河川の劣化」(水質汚濁)などで勢いを失っていった。

昭和時代末期のバブル景気や水質の改善や、河川での観光などに屋形船を利用するなど、見直されつつある。

時代劇
江戸深川を舞台にしたテレビ時代劇『破れ奉行』では、主人公の速水右近と向井将監との情報交換の場としてよく使われる。また、その他の時代劇にも、悪代官と悪徳商人の密談の場などとして、しばしば登場する。

現在の屋形船
大きさ
全長20メートル前後、定員は15~100名程度。若干の業務用(操船、調理)空間を除いて、大半が客用空間となっている。
利用方法
団体貸し切りが一般的だが、乗り合いのものもある。
船宿に直接申し込む他、近隣ホテルの宿泊パックや、バスツアー(東京でははとバスなど)の組み込みで利用できるものもある。
春の花見、夏は花火や納涼、秋冬は夜景観光などのコースが多い。乗船時間は2時間から3時間程度で、お酒、食事が出るものが多い。花火大会の日は特別料金となることが多い。
東京隅田川周辺の船宿では、隅田川、お台場、レインボーブリッジ周辺を周遊するコースが多い。
営業場所
東京では隅田川周辺や浜松町、品川近辺に船宿が多い。酒田、名古屋、大阪、福岡、新潟、日田(大分県)でも営業している。
屎尿対策
屋形船東京都協同組合によると、東京都環境局との取り組みによって、し尿回収用のタンクを船に取り付け、バキュームカーやし尿回収施設等で回収を行っている。

 
◆時代劇用語辞典
 この用語辞典は時代劇を観賞するときに出てくる特殊な用語を解説したものです。あくまで時代劇の世界の用語であり、実際の史実とは違っている場合もあることをお含みおきください。

■あ行
あだうち【仇討ち】
 「敵討(かたきうち)」ともいう。親や主人などを殺した悪い犯人に、善い方が私的に復讐すること。時代劇ではたいていの場合、返り討ちといって善い方が逆に殺されることになる(主人公が助太刀した場合を除く)。善い方悪い方の見分け方は簡単。女子供がまじっているのが善い方。→ぎによってすけだちいたす

あばれんぼうしょうぐん【暴れん坊将軍
 徳川八代目吉宗を主人公にした時代劇。サンバを踊りながら悪を倒す破天荒な将軍様が人気を呼んだ。

あへん【阿片】
 麻薬の一種。ケシから製する。イギリスが清国をこれでむちゃくちゃにしたことは有名。えげれす人と唐人と回船問屋と薩摩藩は、たいがいこれの密貿易をたくらんでいる。爆発的に売れる煙草は、これがほんのちょっと仕込んであることが多い。→とうじん →かいせんどんや →めとろんせいじん

あんま【按摩】
 盲人の救済策として与えられた仕事。盲人はこれをやって小銭をかせぎ、その金でサラ金業をいとなんで利殖し、やがては座頭・勾当・別当・検校などの位を金で買うことを目指した。なぜか時代劇では、いきなり最高位の検校を買おうとするムチャな按摩が多い。位なしのただの按摩は善人だが、なぜか検校で金貸しとなると悪人になる。

いっき【一揆
 もともと「同じ旗のもと団結した者」という意味の言葉だったが、のちに農民の暴動をさす言葉となる。たいがい年貢が払えないことが原因。→ねんぐ

いわみぎんざん【石見銀山
 島根県の銀山の名前だが、そこから取れる砒素のこともこう呼ぶ。「石見銀山猫いらず」とも呼ばれ、毒殺の手段として庶民に愛用された。町人の毒殺はたいがいこれ、大名クラスの毒殺には鴆(ちん)毒という謎の鳥のエキスが用いられる。

いんきょ【隠居】
 家の主人の位や世襲の役職を子供にゆずり、引退すること。または引退した人。「水戸黄門」においては水戸黄門のことだけをさす。また他の時代劇でも「水戸のご隠居」といえば水戸黄門をさす。→みとこうもん

うつけもの【うつけ者】
 愚か者。ばか。殿様や家老などがヘマをした家臣を叱るときに用いる。

うるとらまん【ウルトラマン
 ウルトラシリーズのヒーローを演じた役者が時代劇に出た場合、悪役である確率は95%。森次晃嗣が80%、黒部進が95%、団次郎が100%の意味。いっぽう仮面ライダー役者の善玉率は70%と高い。

えたひにん【穢多非人】
 歴史上は重要だが、時代劇ではまず出てこない用語。

おいえそうどう【お家騒動】
 大名家の、主にあとつぎ争いに端を発する権力闘争。もっとも有名な鍋島猫騒動は、鍋島家を乗っ取ろうとする猫と人間との権力闘争である。

おおおく【大奥】
 将軍の妾を住まわせておく江戸城の一部、またはそこに棲む女性を呼ぶ。馬鹿と傲慢と驕慢と陰険の巣窟。大奥がらみの人物が登場したら悪い奴と思って間違いない。

おかっぴき【岡っ引き】
 「目明かし」「放免」とも呼ばれる。同心が私的に雇っている、地元の顔役や元犯罪者。現犯罪者のことも多い。その暗黒街での顔の広さを利用して犯罪捜査を行う。有能な善人とものすごい悪人にはっきり分かれる。→とりものちょう

おかみ【お上】
 身分が上の、われわれを統治する人。藩や幕府のこと。「オカミのなさることに間違いはありませぬだ」という悲しいあきらめは、徳川幕府から小泉政権まで、綿々と続いている日本の政治風土である。

おじひでごぜえますだ【お慈悲でごぜえますだ】
 飢饉で死にかかった農民の代表が、代官に年貢の免除をお願いするときの言葉。これに応える代官の言葉は「ならぬならぬ! お主ら、お上を何と心得る!」である。代官がこの男を斬り殺すと、それをきっかけとして一揆がはじまる。→ききん →だいかん →いっき

おじゃる
 語尾にこれをつけ歯を黒く塗りおもいっきり馬鹿面すれば、お公家さまのできあがり。

おらんだ【阿蘭陀、和蘭
 ヨーロッパの小国。江戸時代の日本と国交があった唯一の西欧国家。「おらんだ医学」といえばガンでも脳腫瘍でも治す最先端医学の代名詞。「おらんだ渡り」といえば西欧の珍奇な商品のこと。時代劇に登場するおらんだ人は、学問や医学にその身を捧げるストイックな善人と、回船問屋などと結託して阿片などの密輸をたくらむ大悪人にはっきり分かれる。→かいせんどんや

■か行
かいせんどんや【回船問屋】
 船を用いて物資の流通をおこなう業者。いまでいうと、貿易業者と倉庫業と船主を兼ねたような存在。ほとんどの場合、密貿易や汚職にからんでいる悪いやつ。

かたじけない【忝ない】
 貧乏な武士の感謝の言葉。病気になった妻子を町人に介抱してもらったときなどに発する。この言葉を言った人間は善良とみなして間違いない。

かわらばん【瓦版】
 いまの新聞にあたる。絵入りのニュースを和紙一枚に刷って販売する。世間の悪事を摘発することに燃える善い瓦版屋と、スキャンダルをネタに恐喝を働く悪い瓦版屋がいる。

ききん【飢饉】
 冷害や虫害などで農作物が取れず農村が飢えること。一揆を起こすか、娘を吉原に売るきっかけとしてよく利用される。

ぎによってすけだちいたす【義によって助太刀いたす】
 仇討ちで片方に味方するときに言う言葉。主人公が善いほうに味方する場合は文字通りだが、悪い方に味方する奴はたいがい、事前に計画済みである。

きりしたん【切支丹】
 キリスト教信者のこと。見つかると磔火あぶりになるため、「隠れ切支丹」として、仏像の裏にこっそりマリア像を彫刻したり、数珠に十字架を隠したりした。彫りが深くて美人だが陰のある女性が登場したら、たいがいこれ。その男版が眠狂四郎

くにもと【国元】
 大名の地元のこと。国元には国家老が、江戸には江戸家老がいて、両者の権力争いがお家騒動の原因となることが多い。→おいえそうどう

こく【石】
 米をはかる単位。1石=10斗=100升=1000合。ここから転じて、大名の領土や武士の給料の単位ともなる。おおむね成年ひとりが一年に食べる量が一石とされる。大名で十万石未満、武士で百石未満だったら貧乏と思ってよい。

ごさんけ【御三家】
 徳川将軍家を支えるために作られた親戚の藩。将軍が子供を作らず死んだ場合、ここから養子をむかえた。紀伊(いまの和歌山県)、尾張(いまの愛知県)、水戸(いまの茨城県)の三大名。もっとも水戸は他の二家に比べ位階や石高も低く、「御三家とは徳川将軍家尾張紀伊のことで、水戸は入らない」という説もある。これが登場すると水戸黄門も最終回が近い。

■さ行
さがみ【相模】
 いまの神奈川県。一般に「相模女は淫乱」と言われていた。相模出身の女性が登場するほとんどの場合は下級の売春婦。

さど【佐渡
 いまの新潟県佐渡島。江戸時代、罪人や無宿人(保証人のいない宿無し)を佐渡の金山に送り強制労働をさせていた。ここでの数年の労働から帰ってきた人間を「佐渡帰り」と称し、地獄を見た経験と腕にぐるりと回る入れ墨をもつ。

さんぴん【三一】
 武士の最下級。荷物持ちや掃除などを行う。正式には中間とか若党とか呼ばれたが、普通の武士のように世襲ではなく、年に三両一人扶持の給料で雇われたため、この蔑称がつけられた。ふだん町人に威張っているが斬り合いになるとすぐ逃げる。

しごとにん【仕事人】
 江戸時代に存在したと言われる暗殺請負屋。仕掛人、仕置人、仕舞人、渡し人などさまざまな異名がある。針や三味線糸など、殺し方が面白いのが特色。のちの時代ほど過当競争になったらしく、はじめ五両が相場だった殺し料金が、しまいには三十文にまでダンピングされた。

しなの【信濃
 いまの長野県。信濃者といえば大食らいでうすのろの下男と相場が決まっている。「椋鳥」と呼ばれることもある。春になると山へ帰ってゆくから。よく働きためた賃金を詐欺師にだまし取られる。

しんじゅう【心中】
 男女そろって自殺すること。身投げが多い。実際には80%以上の確率で他殺。男女そろった水死体は、たとえ刃物傷があってもろくに見もせず「ふん、心中か」でかたづけられる。→みなげ

しんみょうにしろい【神妙にしろい】
 同心や岡っ引きが容疑者を取り囲んだときの「御用だ御用だ」「おとなしくお縄を頂戴しろ」と並ぶ決まり文句。吉田松陰が逮捕されたときの「松陰、神妙にしろい!」は歴史に残る名文句である。

そば【蕎麦】
 江戸のファストフード。これを美味そうに食べないと時代劇俳優にはなれない。

■た行
だいかん【代官】
 天領(幕府の領地)の取り締まりや年貢の取り立てを行う旗本。たいがい地元の娘をてごめにして恨まれるか、年貢をきびしく取りすぎて一揆をおこされる。

たわけ
 悪事の共犯者になることを拒んだ者、賄賂を拒絶した者、犯罪行為を訴えようとした者などが殺されるときこう呼ばれる。

たわら【俵】
1.藁で作った円筒形の米の容器。年貢をさしだすときに用いるほか、力持ちが武器として活用することもある。だいたい四俵で一石。→こく
2.渡世人の娘で柔術にすぐれるが不細工で出しゃばり。浪花で興行していた棒芸人をむりやり祝言に追いこむという悪行のすえ成敗された。体型が俵に酷似していたためこう呼ばれる。

ち【血】
 時代劇では多くの場合、斬られても血が出ない。斬られながらも相手の衣装をよごしてはいけないという、古き良き日本人の心づかいのなせるわざである。

であえ【出会え】
 刃物をふりまわす人間に対し、臆病な町同心が逃げ腰になりながら岡っ引きをけしかける言葉。→どうしん →おかっぴき →しんみょうにしろい

とうじん【唐人】
 中国人のこと。変な髪型で変な服装で、「……アルよ」「ポコペン」などと喋る。だいたい李一官とか張二官とか陳三官とかいった名前である。曲芸と手品と飴売りが得意で、たいがい阿片を隠し持っている。ヌンチャクの達人であることも多い。

どうしん【同心】
 町奉行の配下にあり、与力の下で市中の治安維持をおこなうと称し、町中をうろついてはあちこちから袖の下(少額の賄賂)をもらってまわる一種の乞食。実際の仕事はすべて岡っ引きにまかせている。→おかっぴき

どざえもん【土左衛門
 未来からやってきた猫型からくり人形。困ったときは川に流れてじっとしているといい考えが浮かび、身体もぽっかりと浮かぶ。

とせいにん【渡世人
 やくざ。博徒。弱い者の味方をするいい渡世人と、カタギの衆をいじめてまわる悪い渡世人がいる。見分けるには目を見ればいい。目の下が黒いのは悪い渡世人

とみくじ【富籤】
 今でいう宝くじ。これが登場すると、貧乏人がいきなり大金を手に入れる理由作りか、それとも寺社が目付老中を巻き込んだ大がかりな詐欺か、どちらかである。

とりものちょう【捕物帖】
 おもに岡っ引きを主人公にした、江戸時代が舞台の推理小説・推理劇。欧米推理小説の有名なトリックを江戸風にしただけで許されるので、ネタの尽きた推理作家に重宝された。

■な行
にんじゃ【忍者】
 「しのびの者」「お庭番」とも呼ぶ。潜入や暗殺を得意とする江戸時代のグリーンベレー。あと十分で番組が終わるなどというとき、あっという間に証拠を探したり人を見つけたりするのでとても便利。

ぬけに【抜け荷】
 今の言葉でいう密貿易。禁止されている外国との貿易、阿片などの禁制品の貿易を行うこと。たいがい最終回近くに、どこかの藩と大物回船問屋が組んでやらかし、大事件になる。→かいせんどんや →はん

ねんぐ【年貢】
 農民が領主に納める税金。米で納める。たいがい払えなくなって娘を吉原に売るか、もしくは一揆を起こす。→よしわら →いっき

■は行
はたもと【旗本】
 将軍家の家臣で、一万石未満の領地をもつ者。将軍じきじきの家臣という意味で、「直参」ともいう。暇をもてあまして遊びまわったり暴れまわったり威張りくさったりして、最後にこらしめられる。

はちじょう【八丈】
 死刑のつぎに重い無期の流罪は八丈島に送られるときまっていた。代官や奉行が美人妻をモノにするため、旦那を無実の罪で送りこむのによく利用された。

はん【藩】
 幕府から一万石以上の領地を与えられた大名とその家臣を中心とした組織。おおむね十万石以上の藩は陰謀をたくらんでおり、十万石未満の藩は借金で苦しんでいる。

はんさつ【藩札】
 これで高額の支払いがなされた場合、まず間違いなく藩が取りつぶしになってただの紙キレと化す。その確率は、現代ドラマで振り出された手形が不渡りになる確率の1.7倍といわれている。

ぶぎょう【奉行】
 幕府、もしくは藩でさまざまな役職をつかさどる武士。勘定奉行は回船問屋との結託。町奉行は私利私欲のため無実の人間を処刑。寺社奉行若年寄の座を狙う以外にすることがない。そのほかの奉行は時代劇には存在しない。→若年寄

■ま行
みかど【帝】
 江戸時代の天皇の呼び名。幕末の一部時代劇を除いて、いてもいなくてもどうでもいい存在。

みとこうもん【水戸黄門
 時代劇でもっとも有名なヒーロー。徳川御三家のひとつ水戸藩の隠居で、旅をしながら悪い商人や代官をこらしめてまわる。→ごさんけ →だいかん →いんきょ

みなげ【身投げ】
 自殺の一法。川に飛び込んで溺死すること。実際には80%以上の確率で他殺。女性の水死体は、たとえ刃物傷があってもろくに見もせず「ふん、身投げか」でかたづけられる。

みねうち【峰打ち】
 日本刀での斬り合いのとき、刀の刃の部分ではなく、反対側の峰の部分で叩くこと。勝てる相手だが殺したくない場合に用いる。鉄の棒で殴るのだから、たぶん骨折くらいはするはずだが、なぜかこれをやられた人間にはアザすらない。

むしろ【筵】
 即席のレジャーシート。貧乏人の布団。一揆の目印。死人をくるむ包装。薪代わり。さまざまな用途に愛用されています。→一揆 →土左衛門

めつけ【目付】
 同僚の悪事をみつけて恐喝するか、同じ甘い汁を吸おうとする人。

もん【文】
 銅貨の単位。庶民の生活はほとんどこれで成り立っている。九十六文をこよりでまとめたものは「さし銭」と呼ばれ百文として通用したため、これをネタにした笑い話がいくつもある。

■や行
やまぶきいろ【山吹色】
 小判のこと。ほとんど賄賂に用いられ、最中など菓子折の底に敷いて届けられる。

ゆうかく【遊廓】
 幕府公認の売春地帯。江戸の吉原、京都の島原、長崎の丸山などが有名。

よしわら【吉原】
 江戸の売春地帯。貧乏な農村から娘を買い、数年かけて一流の売春婦に育てるところ。「……でありんす」という独特の廓言葉を用い、夢のような異次元の別世界を演出した。いまでいうディズニーランドの走り。なかでも花魁(おいらん)という最上級の売春婦は、一晩で数百両を必要とすることもあり、大名や旦那など金持ちしか買えなかった。

よたか【夜鷹】
 最下級の売春婦。むしろを抱えて街はずれを徘徊し、客をとって野外で性行為を行う。一回二十四文が相場だったという。ナイターを行う福岡ソフトバンクホークスのことではない。

■ら行
ろうぜきもの【狼藉者】
 恨みをいだいて家老や旗本などの暗殺をくわだて、屋敷に乱入した人間が呼ばれる言葉。たいがい、乱入したほうが善人。

らんぽう【蘭方】
 医学で漢方(中国医学)と並ぶ言葉で、オランダ医学=西洋医学のこと。この医者の多くは勉強家で腕が立ち貧しい人にも治療をほどこす、まるで無欲なブラックジャックのような存在だが、なかには医学そっちのけでエレキテルや投石機をこしらえ、人を殺してまわる者もいる。→おらんだ

りょう【両】
 小判(金貨)の単位。小判一枚が一両。貧乏人が数年かかって必死にためた一両、娘を吉原に売った代金十両、賄賂や献金で贈る千両、たいがいこの三通りの単位しかない。

ろうじゅう【老中】
 徳川幕府の大臣クラス。これが登場し悪事を働くようになると時代劇も最終回が近い。

ろうにん【浪人・牢人】
 主君から解雇された武士。たいがい善良で、例外なく貧乏で、中には腕の立つものもいる。子供の教師や傘貼りなどで生計を立てることが多いが、たまに金のため刺客を請け負う者もいる。

■わ行
わかどしより【若年寄
 徳川幕府で老中に次ぐ重職だが、賄賂を贈ったりもらったりする以外にやることがない。→老中

わきざし【脇差
 一尺八寸(約55センチ)以下の日本刀。武士はこれより長い太刀と、この脇差を腰に差すのが普通だった。武士以外の農民、町人などは脇差にかぎって認められた。渡世人は二尺をこえる刀(長脇差と称す)をふりまわすことが多く、何回か禁令が出た。→とせいにん


 
◆劇中・時代劇用語
~あくまで、本作の芝居中においての漠とした意味合い…という事でご容赦ください~

【あ】
・吾子(あこ)
…我が子。身分の高い女性が使う単語であったようです。

・一膳飯屋(一膳飯屋)
…今で言う定食屋。劇中で新三とみつの兄妹が営んでいる一膳飯屋の店名は「お独活屋」。
大戸屋、と聞こえるのは…気のせいです。
劇中では包丁人が女性(お紅)となっている為、煮売り屋のイメージに近いかもしれません。

・浮世絵師、絵師(うきよえし、えし)
…劇中の主人公・喜多川歌丸の職業。身分的なモデルは武士階級でもあり貧乏絵師でもあった渓斎英泉。
当時の絵師は、生活の為に仕事を選ばず、春画や枕絵の類もバンバン描いていたようです。

・江戸留守居役(えどるすいやく)
…江戸時代においては、ご存知の通り、藩政という仕組みによって各所が統治されていました。
勿論、藩政の本拠地は、国許の城や藩邸でありますが、しかし、将軍のおわす都・江戸の地にも
各藩、藩邸を置かねばならぬとされ(=江戸藩邸)言うなれば”江戸支店”を置くことが義務付けられていました。
ここを守護する人材を”江戸留守居役”と言い、藩主が江戸藩邸にいない場合に、幕府との交渉や
他藩との連絡調整にあたりました。うーん、聞くだに大変重要なポストであったようですね。
これらの事由から、劇中で美阜藩の江戸留守居役を勤めた金森という役柄は、
藩政の中でも信頼の置かれる有能な重臣、という扱いになります。

・お家断絶(おいえだんぜつ)
…一藩の主である大名や大名家が、何か罪を犯した際、お上から領地を召し上げられ、
引き続いてその藩をおさめる事を赦されなくなってしまう事。
忠臣蔵』の例で言えば、浅野内匠頭は「江戸城内で刀を抜けば死罪」という幕府の先例に従い、
即日切腹、浅野家はお家断絶となりました。この時から、大石内蔵助らは、藩と藩主亡き浪人者という事になります。
他、領主に後継者がいない場合にも、お家断絶となりました。(この場合は、無嗣改易)

・花魁(おいらん)
…吉原遊郭を代表する最高級格の遊女。江戸に吉原ができた際、見習いの少女が
自分が世話になっている太夫のことを「おいらん(の)姉さん、いっち(一番)きれい」と言ったのが始まりだとか?
美しさだけでなく教養も必要とされ、幼少の頃から徹底的に教養・芸事を仕込まれてきている花魁。
そんな花魁に振り向いてもらうには、幾度も通い、莫大な金を茶屋に落とし、花魁自身に気に入られる必要がありました。
女性優位の客選びをしている、という点では、非常に独特ですね。
さて劇中で、そんな”身分違い”の結太夫と主人公の歌丸が「元来の知り合いだった」というのには理由があり
歌丸が廓の用心棒をしていた過去があったり、また歌丸が絵師の卵だった、という事が大きいでしょう。
人気の高かった花魁は、浮世絵や、小説等のモデルにされる事も多かったようです。

・岡っ引き(おかっぴき)
…同心の全く個人的な手下(てか)。手当=小遣いも同心のポケットマネーから出ていました。
給金は少なく、妻や家族は当然のように別の仕事を持つ者が殆ど。
劇中では、岡っ引きの新三と、その妹・みつは一膳飯屋を営んでいます。
蛇の道は蛇、で、元々ワルだった者やヤクザ者だった人間が、改心して岡っ引きになるという事も多かったようです。

岡場所(おかばしょ)
…公の許可を受けていない、江戸の歓楽街。劇中では、私娼屈というだけでなく、
沢山の娯楽施設がある一帯、というイメージで単語が登場します。

おハつ(おやつ)
…江戸時代、八つ時=午後2時頃に甘味を食べる習慣があった事から現代の”おやつ”に転じているそうです。
劇中では…すみません、あまり時間等は気にしていませんで夕方くらいのイメージで居ました…勉強不足orz

【か】
・改易(かいえき)
…お上から武家が罰を受けること。武士の所領や家禄・屋敷を没収する等。切腹やお家断絶よりは軽い刑罰。

・火事と喧嘩は江戸の華
そのまた火消しは江戸の華、と続くという説もあるようです。火事場での火消しの鮮やかな働き振りと、
江戸っ子の喧嘩は威勢が良く、江戸の見物であるということを表しています。
江戸っ子の威勢の良さが垣間見えますね。

・公方様(くぼうさま)
将軍様

・廓(くるわ)
…周囲を囲いで限られ、遊女屋が集まっている地帯。遊郭
尚、劇中で登場するのは、その中でも”花月屋(かげつや)”と呼ばれる架空の遊女屋であります。

・飢饉(ききん)
…作物が実らず、食べものがなく、飢え苦しむこと。 江戸の三大飢饉 も有名ですが、
地方の農村等で起こるソレも、負けず劣らず悲惨でした。
貧しさのあまり、家族を売ったり、棄てたり…他、一揆の要因@引き金にもなったようです。

【さ】
春画(しゅんが)
…枕絵(まくらえ)に同じ。

・市井(しせい)
…町、ちまた。市井に暮らす人々=町の(平凡な)暮らしに生きる人々。

・出奔する(しゅっぽんする)
…飛びだす。全てを捨て、出て行ってしまう。

【た】
・千代田のお城(ちよだのおしろ)
江戸城の事です。別名・千代田城と呼ばれていました。
劇中では、泰信の住まいを推測した遊女達が「さあて、千代田のお城の内か外か…」等といった言葉を交わしますが、
この時、泰信は、尾上の手引きを経て御典医の一派に養子として入り込んでいる為
将軍様のおわす千代田城により近いところに住んでいる可能性もあるよ」と言っているのです。

・寺(てら)
…根性を叩きなおす為に、当時、精神修養と称して「札付きのワル」が入ったりするコトも。
極めてゆるいですが、保護観察中の少年が入るようなイメージだと思って頂ければ…。
寺稚児だけでなく、こんな側面もあわせもっていたのですね~(まあ、寺によりますが…)
劇中では、新三が入った事になっています。(なので、似非僧坊あがりの短髪という設定です)

・脱藩者(だっぱんもの)
…藩を脱けた者。許可なく藩を脱けた者には厳しい罰が待っていました。
(幕末になると、藩も容認するようになってきますが)劇中では、泰興が脱藩覚悟で
美阜藩を後にすれども、忠臣・金森のとりなしで脱藩者の謗(そし)りは受けずに済んでいます。

【な】


【は】
八幡菩薩(はちまんぼさつ)
…いわゆる八幡様、です。八幡神社など、皆様もお耳にした事があるのでは。もとは武士の護り神様で、
南無八幡大菩薩様、と唱えるのは武士が武家が戦いに行くときの呪いのようなもの、だそうですが
劇中では、武家の子供(主人公の歌丸・幼少時代)が遠くへ行く友に「行き先での無事を祈る」というような意味合いで使ってます。

・婢(はしため)
…端た女。身分の低い女。下女。貧しさの為に家族を棄てざるを得ない環境に置かれる事もしばしば。

・華岡流蘭医(はなおかりゅうらんい)
…蘭医、とは西洋外科医の事。華岡流とは、劇中の説明にもありますが、紀伊国出身の蘭方医華岡青洲の医派です。
人体実験を繰り返した末、開発に成功した初の全身麻酔薬「通仙散(つうせんさん)」が有名です。
(この事例は、世界初の麻酔薬・開発成功事例でもあります。)劇中では、華岡青洲の医塾「春林軒(しゅんりんけん)」に
泰信が一年程属した事になっており、天才的に「薬学に強い」蘭方医となった経緯を説明しています。

・番屋
…岡っ引きらが悪人を取り立てて、最初に取調をする場所。
と同時に、町火消の集合場所でもあり、町の代表者らが町内事務を処理する場でもありました。

・びいどろ
…ぎやまん。江戸期の薄作りのガラスの総称。当時の高級材、というイメージです。
劇中では、泰興が紅に、南蛮渡りのびいどろ素材で作られた簪を贈ったりしています。

・ひよこ饅頭(ひよこまんじゅう)
…略して、ひよ饅。江戸庶民の身近な菓子、みつの好物、という設定。
実際は福岡銘菓であり コチラ とは何の関係もありません;

・不浄(ふじょう)
…穢れ(けがれ)と同意。江戸の人々は、今の日本人より、もっといわゆる”不吉な事”や
迷信に敏感で、差別意識も高かったようです。不浄の身、とは穢れた身、の事。
これを人に向けて言う事は大変強い差別発言に繋がります。

・双子(ふたご)
…縁起を担ぐような武家や商家において、双子は忌み嫌われました。産まれた直後、双子とわかるや
余所へ棄てたり、産婆や家の者が間引いて殺したり、といった事もざらにありました。
一般的に異性の双子は、心中者の生まれ変わりと言われ、同性の双子においては
先に生まれた方を夜叉子、後に産まれた方を菩薩子とし、迷信ながら極端な差別がなされたところもあったとか。
そういった世界では、双子以上の子を産んだ母親は「畜生腹」と罵られるのが常でありました。
(=畜生のように何匹も産む浅ましい女、の意)

【ま】
・枕絵(まくらえ)
春画、枕草紙などとも。ぶっちゃけますと、現代でいう、ポルノグラフィ=艶本です。
男性向け。しかし、現代でも有名な絵師達(春信や清長や歌麿北斎ら)が、変名ながら
見事に全員、これら春画を手がけている事から、芸術的価値も高いと云われているとか。

・美阜藩(みのぶはん)
…劇中に登場する、架空の藩です。雪深い山奥にある藩、というイメージで描いています。
雪に篭められているがゆえに、桜に憧れるという側面を持たせています。

・貰い子、貰いっ子(もらいご、もらいっこ)
…貰われっ子。血の繋がらない子、養子の意。
劇中の台詞にも出てまいりますが、江戸では迷子が大変多く、迷い後が拾われた先で
(実際の親が見つからぬまま)成人してしまう、等という事は比較的よくある事例でした。

【や】
・破れ寺(やれでら)
…古く朽ちかけた、ボロボロの寺。無人とは限りませんが、雪や寒さもしのげず、とても快適とは言えません。
厳しい上下関係や体罰なども日常だった事でしょう。
劇中では、泰信がここに棄てられ、凄惨な幼少時代を過ごした、という設定。

・薬叉堂(やくさどう)
…劇中に登場する医家の名前。泰信が名づけたようにも感じられる。
薬夜(ヤクサ)とは、夜叉の意。インド神話においては悪鬼・鬼神の総称。

・夜叉子(やしゃご)
…夜叉(鬼)の子。鬼の生まれ変わり。不吉な子。

◆「街道を食う」とかくだらな学習帳の文章とか。
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/rekisi/kaido.htm
 
◆知っていて損はない時代劇用語 《武士の基本編》
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7003650
時代劇に必要な用語集作りました。
日本史や江戸時代に詳しくない人が、時代劇作品に触れるときちょっとでも参考になればと思います。
いきなりたくさん用語を出してもアレなので、今回は武士の基本編です。

これを作りながら、『そういえば以前中間とかの言葉を説明もせずいきなり出していたな……。
知らない人わけわからなかっただろうな』と反省しました。
その意味でも作ってよかったです。
 
◆知っておいて損はない時代劇用語《大奥編》
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7044338
今回は大奥でよく使われる言葉についてまとめてみました。参考になれば幸いです

◆御三家について
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7005746
御三家について質問があったので、自分の知識の範囲で解説させていただきたいと思います。長くなってしまったので小説の形で投稿します。

◆知っておいて損はない時代劇用語、女剣士と吸血鬼で出てくる言葉編
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7230987
気づいたら女剣士と吸血鬼の一作目が100usersいってました! 本当にありがとうございます!読んでくださった皆さんのおかげです。ありがとうございます。まさかこんな長いシリーズになるとは……...

 
◆時代・時代物・時代劇
「時代」(じだい)
「時代物」(じだいもの)
「時代劇」(じだいげき)
http://www.moon-light.ne.jp/termi-nology/meaning/jidai.htm
歌舞伎などで江戸時代当時を描いた現代劇を「世話物」と言いますが、
この「世話物」の対義語として、歌舞伎や浄瑠璃において
江戸時代より前の時代を題材にした物語を「時代物」言います。

「時代物」は、江戸の庶民から見て前の時代のことである
公家や武士、日本史上の人物や伝承などを題材にしたものを指します。
現在では、歌舞伎に限らず、演劇や映画でも「時代物」や「時代劇」という言葉を使いますが、
この2つは用途が若干違い、「時代物」の対義語は「世話物」、
「時代劇」の対義語は「現代劇」となります。
言葉本来の意味では、「時代劇」は江戸時代を題材にしたものも含み、
「時代物」と言う場合は、戦国時代以前の物語ということになります。

また江戸時代は、当時の官である武家社会を劇化するのは御法度だったため、
当時に起こった事件を時代物にすり替え、法の目をかいくぐっていました。
仮名手本忠臣蔵」で大石内蔵助が大星由良之助という役名で、
室町時代が舞台の時代物になっているのも、こういう理由によるのですね。

◆「世話・世話物」(せわ・せわもの)
一般には「面倒を見る」という意味で用いられる「世話」ですが、
これとはまったく関係なく、歌舞伎や浄瑠璃の世界においては
江戸時代を舞台にした作品のことを「世話物」と呼びます。

歌舞伎は江戸時代に発祥、発展してきたため、
多くの作品が江戸時代に創られています。
ですから、江戸の当時を舞台にした物語が「現代物」で、
江戸以前を題材にしたものは「時代物」となります。

そして「現代物」の多くは、当時の庶民から見て世間の話を題材にしているため、
「世間の話」を「世話」と略し、この言葉が生まれました。
中でも、特に庶民の生活を描いた物語を
「生世話物(きぜわもの)」と言いますが、
義理人情物、恋愛物、散切物(ざんぎりもの)など、どんなジャンルの物語でも、
当時を舞台にした作品であれば世話物に含まれます。

また、夫の面倒をよく見て家庭を手際よく切り盛りする妻という意味の
「世話女房」という言葉がありますが、
歌舞伎では、広い意味では世話物に登場する女房を指したり、
さらに限定的に庶民や町民の女房を指したりして用いられることがあります。
 
◆「現代劇」(げんだいげき)
「現代劇」とは、文字通り現代に題材をとった劇のことです。
対義語は「時代劇」になります。

浄瑠璃や歌舞伎においては、多くの作品が創られた江戸時代を基準に、
当時の世相を描いたものを「世話物」、
戦国時代以前に材を取ったものを「時代物」と分類しています。

明治以降になると西洋文化流入し、映画などの映像ジャンルも誕生。
演劇では、新派や近代演劇に影響を受けた新劇が生まれ、
歌舞伎などは旧派と呼ばれるようになります。
こうして新しい芝居が定着してくるにつれ、
明治の文明開化以降の近現代の劇を現代劇と言い、
江戸以前のものを時代劇という分類が誕生しました。

このように、現代劇とは時代劇以外のすべてを表す言葉と言えるため、
演劇や映画のジャンル分けにおいて使われることも多くはありませんが、
例えば、歌舞伎役者が歌舞伎以外の作品に出演するとき
梨園から○○が現代劇に出演」というような使われ方をしていますね。

文楽
http://www.moon-light.ne.jp/goods/bunraku.htm
日本古来の伝統芸能人形劇・文楽

大道芸の人形芝居と、音楽に乗せた語り物が結びついて生まれたと言われており、
1500年代、日本に伝来した三味線が「浄瑠璃物語」(浄瑠璃姫と牛若丸の悲恋物語)の語り物と結びついて古浄瑠璃が生まれたと考えられています。
1600年代、竹本義太夫近松門左衛門によって人形浄瑠璃は完成。
1800年代、植村文楽軒が大阪に作った興行小屋「文楽座」が有名になり、上演されている人形浄瑠璃が、広く「文楽」と呼ばれるようになりました。
1984年には、大阪に国立文楽劇場が建設され、
2003年には、ユネスコの世界無形遺産に選定されています。

舞台は「太夫(たゆう)」「三味線」「人形遣い」の三要素から成り立ち、
舞台での役割が分業されている、珍しいお芝居です。
 
◆歌舞伎」(かぶき)
http://www.moon-light.ne.jp/termi-nology/meaning/kabuki.htm
古典演劇である歌舞伎の語源は、
新奇なことを意味する「傾(かぶ)く」という言葉です。

江戸時代のはじめ、
派手な衣装を付け、派手なメイクをした人々が街を闊歩していました。
今で言う、ストリートパフォーマンスのようなものですね。
その人達を「奇抜な人たち」というような意味合いで、
「傾き者(かぶきもの)」と呼んでいました。
その「かぶき」が
『「歌」(音楽)「舞」(踊り)「伎」(演技)』と
歌舞伎の三大要素を取り入れた言葉に変わっていくのです。
現在では「KABUKI」と、世界でも有名な日本の伝統芸能のネーミングは
実は当て字から生まれたのですね。

歌舞伎の発祥は、戦国時代の頃と言われています。
記録として残っているものでは、慶長年間(1600年頃)、
出雲(現在の島根県辺り)の阿国という女性芸人が始めた「ややこ踊り」が、
やはり奇抜なことから「かぶき踊り」と言われたのが起源というのが通説です。
1603年、出雲阿国が京都・四条河原に小屋をかけて行った公演は特に有名で、
このときを歌舞伎の起源としていることも多いようですし、
これを題材にしたミュージカル「阿国」も創られています。
このように当初は女性が演じていた歌舞伎ですが、
時代の流れで禁止されたり認められたりと、様々な困難を通して今に至っているのです。
なお出雲阿国は、1607年に江戸城で家康の前で踊りを披露した記録を最後に、
その後の消息は不明とされています。

このように、歌舞伎はまだ400年程の歴史で、
古典芸能というには、やや歴史の浅い芸能です。
そのため、他のジャンルの演目を歌舞伎化した作品が多く、
浄瑠璃を歌舞伎化したものを「義太夫物」、
能・狂言を歌舞伎化したものを「松羽目物」「能取り物」と言います。
やがて元禄年間(1690年頃)になると
ようやくオリジナルの歌舞伎も創られるようになり、
これを「純歌舞伎」と言います。

◆出雲阿国 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%BA%E9%9B%B2%E9%98%BF%E5%9B%BD
出雲 阿国(いずもの おくに、元亀3年?(1572年) - 没年不詳)は、安土桃山時代の女性芸能者。ややこ踊りを基にしてかぶき踊りを創始したことで知られており、このかぶき踊りが様々な変遷を得て、現在の歌舞伎が出来上がったとされる。
しかし服部幸雄は、阿国かぶきは中世以来の女性芸能の一つに過ぎず、歌舞伎の成立は若衆歌舞伎からだとしている。

名古屋山三郎と関係するともいわれ、「山三郎が夫である」、「山三郎の亡霊の役を演じる男性とともに踊った」といった解説がなされることもあるが、前者は伝説ともいわれており、後者も信頼性が決着がついていない資料にしか登場せず、信憑性が疑わしい。

現在では阿国と表記することが多いが、この表記は17世紀後半以降に彼女が伝説化してから広まったものであるので、歌舞伎創始期について語る場合は、彼女と同時代の資料にしたがって国、もしくはお国とするのが適切である。
また、「出雲のお国」という呼称も同時代の資料には見られず、お国が出雲出身かどうかも学術的に決着がついていない。
 
◆「河原乞食」(かわらこじき
http://www.moon-light.ne.jp/termi-nology/meaning/kawarakojiki.htm
読んで字の如く、河原にいる乞食という意味で、
役者・俳優などの芸能人を卑しめていう言葉です。

役者は、芸能を披露して物(米銭)を乞うことから
「乞食」と侮蔑されていたのは、なんとなくわかりますよね。
では、なぜ「河原」なのでしょう?

1603年、出雲の阿国が京都の四条河原でかぶき踊りを始めました。
四条河原は、鴨川に架かる現在の四条大橋附近の鴨川原を指します。
これが四条河原で芝居を行うきっかけとなり、
後に四条大橋の東畔に芝居小屋も作られました。
また、この阿国のかぶき踊りが現在に至る歌舞伎の起源と言われており、
和製ミュージカル「阿国」では、この辺りを主題にしています。

現在「河原」と言うと全ての川沿いの平地を指す言葉ですが、
当時、この四条河原の芝居が有名になったことから、
「河原」と言えば「四条河原」を指し表していました。

つまり、江戸時代に四条河原で興行を行っていた
歌舞伎役者を卑しめる意味で「河原乞食」という言葉が生まれたのですね。
また、「河原」=「四条河原」であったことからか、
単に「河原者」とも侮蔑していたようです。

江戸時代の士農工商制度では、商以下の身分、つまり非人だった歌舞伎俳優。
前述のように歌舞伎の起源は江戸初期と言われていますが、
披露される芸能のルーツは、もっと過去に遡り、
道端で行われていた大道芸だと言われています。
この大道芸については、個々にご紹介しますね。

◆河原者(かわらもの。河原乞食・河原人とも呼ばれる)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E5%8E%9F%E8%80%85
 
◆「間者」を「患者ですか?」と聞く若手俳優 時代劇は“死んだ”のか
http://www.sankei.com/west/news/130116/wst1301160055-n1.html
(1/3ページ)
 かつて日本人の“娯楽の王様”だった時代劇が、年を追うごとに衰退している。
映画、舞台、テレビドラマなどで依然、一ジャンルとして存在感を示してはいるものの、第一人者の俳優、杉良太郎は「今の時代、本格時代劇を演(や)っても誰も興味を示してくれない」と話す。
さらに、「演じる側にも問題がある」とも。
大阪・上本町の新歌舞伎座での上演中の舞台で、杉は現状を打破すべく、ある試みをしている。果たして、“喝”を入れることができるか。(古野英明)

◆仕事で使ってみたい、時代劇言葉・・・
https://okwave.jp/qa/q3804487.html
時代劇には、今の言葉とは一味も二味も違ったニュアンスの用語や、或いはスキッとする決めゼリフなどがたくさんありますよね。
そんな時代劇の言葉を仕事で使ったら、ビジネスや社内コミュニケーションなどに役立つのではと考えました。

例えば上司から嫌な仕事を押し付けられたら、「あっしには関わりがねぇこって」と逃げてみたい・・・
例えば取引先に仕事をお願いする時には、最後に「よしなに」と付け加えたい・・・

いつも仕事で苦労していることを思い浮かべて、そんな時に使ってみたい時代劇言葉を教えて下さい。
 
◆殺陣(たて)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AE%BA%E9%99%A3
殺陣(たて)・擬闘・擬斗・技斗(ぎとう)
演劇・映画・テレビドラマで俳優が格闘シーン時に素手素足もしくは武器を用いた演技を指す用語。
 
◆時代劇
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%82%E4%BB%A3%E5%8A%87
時代劇(じだいげき)
日本の演劇や映画、テレビドラマなどで現代劇と大別されるジャンルとして、主に明治維新以前の時代の日本を舞台とした作品の総称である。