◆オギノ式避妊法


◆オギノ式避妊法の数奇――イノベーションの活用法はユーザーが決める
2016年06月21日
https://globis.jp/article/4466
今回は、大正から昭和にかけて活躍した医師で、いわゆるオギノ式避妊法で有名な荻野久作(1882-1975年)を取り上げます。

荻野は東京帝国大学医学部出身の秀才でしたが、家が貧しいこともあり、卒業からしばらくして新潟の医院で産婦人科の臨床医となります。その荻野を排卵・妊娠に関する研究に駆り立てたのは、当時の農村の女性の辛い立場でした。

当時の農村では子どもをたくさん生むのが当たり前の時代でしたから、子どもをなかなか授からない女性、特に後継ぎとなる男子を授からない女性は非常に厳しい立場に立たされました。特に新潟の農村部では、結婚しても最初は籍を入れず、子どもが生まれなければ夫側から離婚を申し出てもいいという風習がありました。当然、そうした女性が再婚をすることは容易ではありませんでした。子どもを授からないことを苦にして命を絶った女性も少なくありません。

こうした状況に心を痛めた荻野は、「何かしら妊娠の可能性を高める方法はないか」と考えたのです。

荻野は患者にヒアリングなどを行い、地道に研究を重ねました。そして思考錯誤の末、当時の医学界の常識が間違っているのではないかという考えにたどり着きます。当時の常識は、「(月経周期が4週間の女性の場合)月経後、14日目から16日目に排卵がある」というものでした。

荻野は、排卵痛と月経の関係に気づき、排卵は次の月経までの時間で決まるという仮説を得たのです。荻野はこう結論付けました。「次の月経の12日前から16日前が排卵期である」。当時としてはコペルニクス的な発想の転換でした。

ちなみに、荻野は、仮説検証の一環として、自分と奥さんとの夫婦生活でも「実験」を行い、バースコントロールに成功しています。
 
荻野久作 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/荻野久作
荻野 久作(おぎの きゅうさく、1882年3月25日 - 1975年1月1日)は産婦人科医、医学博士である。女性の月経周期と妊娠との関連性を研究した先駆的業績で知られる。
しかし不本意にもこの避妊法は後にオギノ式と呼ばれるようになる。
もっと確実な避妊法があるにもかかわら自身の学説を安易な避妊法として使い、結果として望まない妊娠をして人工妊娠中絶により失われる命のあることに久作は憤りを感じていた。
そして、むしろ不妊治療に役立てて欲しいと主張した。この二人はノーベル賞候補に挙がっていたというオーストリアグラーツ大学Tscherne教授の証言についての記載がある。
1970年のKnaus教授の葬式の直後、「KnausとOginoはノーベル賞候補に上がって(原文ママ)いたのに、(Knaus教授が)死んでしまったのでその可能性がなくなった」と嘆いていた。
1975年(昭和50年)新潟市の自宅にて死去。最晩年まで医師として現役を貫いた。
新潟市の自宅前の通りは、没後に新潟市民の運動により、その功績を讃えて「オギノ通り」と名づけられている。
 
◆避妊 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/避妊
オギノ式
女性の月経の周期に基いて妊娠可能な期間を計算・予測し、その期間は性行為は避妊をするが、その期間以外は避妊をおこなわず、膣内に射精しても妊娠しないとされる。
周期法とも呼ぶ。
簡便な方法であるが、排卵の乱れなどで予測を失敗して妊娠してしまう可能性もある(PI:9程度)。
不妊治療のため日本人産婦人科医・荻野久作が発見した月経周期に関する「荻野学説」が避妊法に応用されたものである。
なお、荻野本人は自分の学説が避妊法として利用されることについてはより確実な避妊法が存在するゆえ、中絶の増加につながるとして大いに反対していた。
「女の身体には1日たりとも『安全日』などありはしない」「迷惑だ。むしろ不妊治療に役立つ学説だ」と主張しつづけたという。
現在、ローマ・カトリック教会の教学上(人のいのちを育む家庭のいしずえとして、夫婦の本来の性のあり方を守るため)、排卵法(ビリングス・メソッド)と共に認められている受胎調節法(自然な家族計画)の一つである。
基礎体温
女性の月経の周期のうち、基礎体温を計測して低温相から高温相に変わった日(排卵日)を知り、それから4日目以降に性行為を行う方法(PI:3程度)。
毎日規則正しい生活を続け、かつ定時に基礎体温を測りつづける必要がある。
その他の方法
この他、子宮頚管粘液の状態で排卵日を確認する頚管粘液法もある(PI:2程度としているが、詳しく検証されているかなど不明である)。
 
法王庁の避妊法 鹿賀丈史 藤真利子
https://youtu.be/etD98VWmEtE
Austin Haruka
2018/04/26 に公開
1989/04  南田洋子、下元勉、永島暎子、阿部雅彦、渥美国泰、左時枝;  脚本 高田純、原作 篠田達明
***** 当チャンネルでは DVD化、VHS化、オンデマンド化されておらず、再放送されていない1980年代後半から1990年代のテレビ番組をお届けしたいと思っております。
"Austin Haruka" チャンネル登録、よろしくお願い致します。
 
法王庁の避妊法 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/法王庁の避妊法
法王庁の避妊法(ほうおうちょうのひにんほう)は、1986年篠田達明作の小説(『別冊文藝春秋』177号)である。篠田『法王庁の避妊法』(文藝春秋、1991)に収録されている。1989年にテレビドラマ化され、これを原作に1994年に飯島早苗鈴木裕美によって戯曲化し、自転車キンクリートによって初演された。

この作品は、月経周期に関する「荻野学説」を荻野久作が発見する過程を巡って繰り広げられる先生とその周囲の人々の物語が描かれている。いわゆる「オギノ式」は、ローマ法王庁が初めて認めた避妊法であるところからこのタイトルがつけられている。名戯曲として数々の劇団で上演が繰り返されている。