◆映画 五人の突撃隊


◆映画 五人の突撃隊  1961年製作
「時の氏神 新夫婦読本」の舟橋和郎と「手錠にかけた恋」の星川清司の共同脚本を、
女は夜化粧する」のコンビ井上梅次が監督し、中川芳久が撮影した戦争映画。
 
平洋戦争末期のビルマを舞台に、5人の若き兵士の運命を描いた戦争アクション。
大隊の撤退が完了するまで最前線の兵士は、攻撃をくい止めなければならない。
野上(本郷)、橋本(川口)、杉江(藤巻)、庄司(川崎敬三)、小林(大辻伺郎)が残って敵を迎え撃つが・・・。
窮地に立ち、精神的にも追い込まれていく兵士たちの姿をリアルに描く。
解説
昭和十九年五月、ビルマ最前線の日本軍は、インパール攻撃を目前に控えていたが、すでに弾薬はつき、食糧はなく、
その上恐しい雨季が迫ってきていた。
野上大隊長は、旅団司令部に物資の補給を要請した。
事情を知った曽根旅団長は、作戦会議で撤退を主張したが、かえって第一線の指揮を命ぜられた。
曽根は、副官に野上少尉を任命し、野上大隊へ赴任した。
士官学校を出たばかりの野上は、父の野上大隊長が優柔不断なため進撃をためらっているという噂を聞き、不満に思っていた。
橋本上等兵と杉江一等兵は上官を上官とも思わないような兵隊だった。曽根は、胸中、撤退を決意した。
だが、そのことを敵に知られてはならない。敵前衛部隊への攻撃、地雷原の爆破作業と小さな攻撃が続けられた。
橋本上等兵が、前の戦闘でかく座させた敵戦車を迎え撃つという計画が進められ、
野上少尉、橋本上等兵、杉江一等兵の他、庄司一等兵と小林一等兵が選ばれ戦車の修理作業にかかった。
作業中、野上と杉江の間に険悪な対立が続いた。戦車はほんの少し動いただけだった。
撤退命令が下った。曽根旅団長の独断で行なわれた命令だった。時を同じくして、敵の攻撃が開始された。
大隊の撤退が完了するまで、その攻撃をくい止め、最後に橋を爆破するために誰かが残らねばならない。
敵のくる道筋にすえられた戦車の中に、野上、橋本、杉江、庄司、小林の五人が残って敵を迎え撃った。
敵戦車が近づいた。
この機に、橋の爆破をしなければ、敵の進撃をくいとめることができない。
橋本と杉江が爆破作業にとりかかった。爆破装置が完了し、スイッチが入った。点火装置に故障があるのか爆発が起らない。
杉江が橋上に躍りあがった。その上に敵戦車がのしかかる。その瞬間、橋は爆破した。
その頃、大隊本部では曽根が自決していた。
生き残った野上と橋本が、僚友たちの遺体を埋葬しているのを、対岸の狙撃兵が見つけた。
野上が倒れた。
「俺だけを残すな」と橋本が絶叫する。
その橋本の背を激しい雨がたたきつけた。遂に雨季がやってきたのだ。
https://youtu.be/MJD4tSGxX8Y
スタッフ
監督 井上梅次
製作 永田雅一
脚本 舟橋和郎星川清司
企画 原田光夫
撮影 中川芳久
キャスト
野上少尉 本郷功次郎
橋本上等兵 川口浩
杉江一等兵 藤巻潤
庄司一等兵 川崎敬三
小林一等兵 大辻伺郎
曽根少将 山村聡
野上大隊長 大坂志郎
稲垣中尉 友田輝
宮口伍長 安部徹
高木兵長 藤山浩二
大田黒大将 石黒達也
師団長 見明凡太朗
近藤大尉 村上不二夫
木村少尉 石井竜一
旅団参謀 北原義郎
情報将校 井上信彦
髯面の一等兵 中田勉
野上俊夫 田宮二郎
若い女   三浦友子
婆や   須藤恒子
則子   弓恵子